hammerkammerの日記

アウトプット用で始めました。文章がめちゃくちゃだったらすみません

人間失格

気味悪いけど面白い。大庭葉蔵のダメ人間っぷりが良い。有吉のラジオを聴いてるかのようだ。逆を言えば有吉のラジオは現在の太宰治なのかもしれない。太宰治と言えばピースの又吉直樹が好きで色々喋ってた記憶があるが、真の太宰は有吉だったのだ。などとくだらないことを考えながら読んでいた。

大庭葉蔵の対人恐怖の気持ちは自分にも多少はあるが、決定的に違うのは自分にはこんなに女が寄ってこないということである。やっぱ男前は黙っていても女がやってくるのかな。男前って本当うらやましいなと思った。
葉蔵は人間恐怖から道化を演じて人を笑わせることで、その恐怖から逃れようとしていた。もしかしたら、身の回りにいる男前でかつ陽気に見える人間も苦悩を抱えている人間かもしれないなあと思えば僻むのではなく、これからは見下して気持ちよく生活できそうな気もする。


この小説の自分が好きなところは葉蔵のゲスくて何とも人間臭いとこである。
・金の無いことがとにかく苦痛
・この女早く帰らねえかな
・情死した相手の名前を忘れてもおごってもらった鮨の不味さだけははっきり覚えてる
・自分は今まで自分より若い処女と寝たことがない。結婚しよう。
これらの文章にこいつ本当ひどいなと思わず笑ってしまった。

ただ、悪友の堀木に「お前の女道楽もこの辺でよすんだね。これ以上は、世間が、許さないからな。」と言われ、それに対して葉蔵が「世間というのは、君じゃないか。」という心情を募らせている所がグッと刺さった。自分もこの見えない世間に対して怯えることもあるのでこの言葉はすっと胸がすく思いがしたし、昨今はSNSの普及によって世間らしき声が大きくなってるように感じるが、結局は個人の主義主張に過ぎないのではないかと改めて感じさせられた。